絶対音感の付け方
絶対音感ってなに?
はじめは、こんなふうに思っていた。
・曲のメロディを聴いただけて楽譜を見ないでもメロディを弾ける
・鍵盤を見ないで、誰かが弾いた音を音階で当てられる
私は6歳から13歳までピアノを習っていたが、このような上のことが「絶対音感がある」と言うふうに思っていた。そして自分もこれらのスキルはあると思っている
そしてこんな音
・踏切の音
・インターホンの音
も、ピアノで弾けるのが絶対音感。
でも、絶対音感というのはもっともっと凄いものであることがわかった!
(この本を読みました。絶対音感については、江口式を採用している人が多いらしい。)
例えば難しいショパンの曲を耳コピで、一度聴いただけで両手ですぐに弾けてしまう
(これはある程度弾ける人ですが)
とか
4歳の子が幼稚園で習った歌を、家に帰ってきて伴奏をつけて弾けてしまう
とか
初めて聴くCMの曲を両手で弾く
とかとか。
メロディだけでなく、両手で、しかも簡単な和音だけでなく複雑な左手をつけて。
また、聴いた音を演奏するだけでなく、曲の続きを自分で作って弾いてしまう
とか
なにやら絶対音感を持つ子供は、テレビなどにも出てくるような天才のようだ。
でも、この本によると絶対音感は訓練でつけられるということ。
才能ではなく、誰でもつけられると!
でも年齢が早ければ早いほど良い。
外国語の発音がネイティブと同じようになるには小さいうちに始めた方が良い、と言うのと同じ。
この本を読んで子供につけてあげたいなと思った。
始めるのに最適な年齢は2歳台
と言うことは、絶対音感つけたい!と2歳で言う子はほぼいないので、親がこの子に絶対音感をつけさせたいと思っている人がはじめることが多い
私は当時は知らなかった!・・・
だから現在4歳と6歳の娘たちにはちょっと遅いかもしれない。。
でも6歳くらいまでに始めたら絶対音感が可能性はあるらしい
この本では満9歳までにと書いてある。
ということで、本の内容を書くと長くなるのですが、
全体的にみて
絶対音感の練習とは
・白鍵の和音(ドミソ、ドファラなど)、黒鍵入れた和音を一つづつ覚えさせる
やり方は
一つの和音を
一日に5分ずつを4、5回
それを2週間続ける
ジャーンと2秒間弾く
次に2個目の和音を2週間
という感じ。
また気をつけることは
- 和音を一つの「響き」として覚えること
例えばドミソとドファラ。ドファラの方が高い音があるね、と比べさせない。
- すべての和音(白鍵の9個、黒鍵の5個)が覚えられたら音を分けて覚えさせる
- 階名(ドレミ・・)で歌わせない
- 五線ノートに書く練習をしない
これらは高低差を比べてしまう練習になるから。
- また例えばラドファと次にソシレを弾いた時間違えたとする
その時にこの二つの和音を何回も聴かせて練習するのは良くない。高さ比べをしなさいと言っているようなもの。
なぜ間違えたかというと、音が飛んだ時に答えにくいのでは?と疑う必要がある
それの対処法も書いてある
という感じで、親の方もとても根気がいる。
一日5分を4.5回も練習、しかも2年くらいはかかるという。
子供達が弾くわけではないので、そこまで負担ではないかもしれないが
親の私が毎日5分ずつ、4.5回ね
例えば
朝起きてご飯前に聴く
幼稚園から帰ってきて聴く
夕飯前に聴く
夕飯後に聴く
寝る前に聴く
こんな感じになるのだろう。
でも
絶対音感がついたら
相当楽しいだろうな
聴いて両手でアレンジもできて弾けるようになる
譜読みも楽しくなるって
音楽の幅を広げさせてあげられる
ただ、子供も私もこの練習を楽しく続けないとね
私の工夫も、声掛けも、私自身の心の状態も大切だよね。
本の最後に、親としての在り方みたいなのも書いてあった。
・良いお母さんとは
例えば
子供がテレビを見ている
母「面白そうなアニメね」
「ママも見たいけど我慢する」
子「和音の練習テレビ終わってからで良い?」
母「いいわよ、テレビが終わったらママに教えてね」
お母さんがテレビを見ていた自分を叱らなかったこと、見ていた番組を面白そうだと褒めてくれたこと、お母さんも見たいと言ったこと、番組が終わるまで待っていてくれること・・お母さんがお子さんの気持ちを大事にしているのがお子さんにも自然に伝わった
お母さんが約束を守れば子供も約束を守ります。
・・・・
こういうことも書いてあった。
絶対音感の訓練、やってみようかな!
先生に相談してみよう。
以下、
メモ書きですが本の大切なところを書いてみました。
是非ご自身でも本を読んでみてください。
■音を比べて覚えさせない
ライオンのオスとメスを教える時
オスはタテガミがありメスはない
オスの方が大きくてメスは小さい
これはダメ。
ライオンのオスの特徴ばかり教える
メスを見た時にそれはオスではない未偽者だというような教え方
偽札もそう
本物ばかり触ったり見たりすることで偽札がすぐわかる、というようにする
絶対音感も同じ
一つの和音をひたすら聴かせて、次の和音に入る
■和音にソシレのように単音で名前をつけない
白鍵の9個の和音を覚えられてから音名に切り替える。その時はハタに音名を書く
和音9個の”響き”を覚えさせる
■絶対音感の練習は、和音の顔を覚えようとしていること
■毎日同じ音の大きさ
1.2、3秒で離す
■すぐに答えを教える
間違っていたらすぐに答えを言う 考えさせない
■2週間同じ和音でまちがえなく答えられたら次の和音へ
■記録を録ろう
間違えたとき
正解だったとき
■年齢が大きい子は早くすすませる
(191ページ)
■単音の音あてはをしない
特別な時だけで、普段の練習ではしない
■白鍵の和音9個と黒鍵の和音5個、または15個が覚えられたら単音に分化して練習する
大体の子は単音になっても言えるが
年齢が高いほど言えない子がいる
けれどもいつかは分化できるので焦らない
■満9歳のお誕生日までなら、絶対音感がつく可能性がある、またそれまでについたとしても維持練習しなければ忘れる可能性もある
■同時に聞ける音は6音までらしい
■白鍵の和音の9個は
「ドミソ」「ファラド」「ソシレ」の3種類の和音の音を並べ替えただけ
■■第一のミス
「同一和音」同士の混同。
ドミソ、ミソド、ソドミの和音の区別がつかない 混同するが、それが良い。これを第一のミス、と言う
絶対音感がついていっている証拠
第一のミスをしたまま次に進むこともある
白鍵の和音を全部練習する段階まで進むこともある
■和音を単音化して初めて絶対音感がついたということ
だから第一のミスは最後は無くさないといけないが
■第一のミスの治療法は
・グルーピング練習
同一和音だけを聞かせる
ドミソ、ミソド、ソドミ
の旗を🚩降らせる
・一番上の音を意識させる練習
ミソドーと弾く、ドーと弾く
■■第二のミス
共通音をもつ和音の混同。
例えば一番高い音、一番低い音が同じ。
ドミソをシレソと言ってしまうとか。
■第二のミスの治療法は
・隔離する
よく間違える方を練習しない
ドミソだけ練習とか
でも短期間で練習は終わりにする
■ふつうは「相対的な聴き方」(高さを比べたり)に引っ張られては、「絶対的なきき方」に引き戻し、引っ張られては引き戻し、の繰り返し
■第一音(初めに引く音) が正しければ絶対的な音の聞き分けがついてきていること
■間違えたらすぐに教える
■■第三のミス
音の高さを比べてきいてしまう
ドミソとドファラ
逆に初めスムーズにこの二つの違いを言えている子は、音を比べて聴いているのではないか?と疑う必要がある。
■第三のミスとは5つのパターン
・「第一音」(初めに弾く音)をミスする
これは相対的な聞き方をしている可能性がある
・「高さが似ている和音同士」をミスする
例えばソシレとラドファ
例えばドファラとレソシ
音の「高さ」は似ているが、和音の構成音は全く異なる
・「高さが離れた和音」にとぶとミスをする
例えば、ラドファからソシレにとびあがると「高い音だ」と感じでソドミなどと答える
逆も同じ。
つまり高さが近い和音がつづくとあまりミスをしないが、高さが離れた和音に飛ぶとたくさんミスをする
・ある和音をミスすると、次もミスをする
・ミスをする和音が決まっていない
弾く順番や、直前に弾いた和音によって間違える和音が変わる
このような第三のミスはみんなが必ず通る道
しかし治療をするより、未然に防ぎたいもの
■第三のミスを減らすには
・初期の練習をたくさんする
一日に4-5回
・高さ比べをしない 大人はこれで聞いている
・和音の高低関係を意識させない
第三のミスが現れた時は、和音の高低関係を意識することにつながる練習を避ける
たとえば五線ノートに音符で書かせることはいけませんp248
単音の高低関係を強める練習も避けること
メロディでうたうこと階名でうたうことなど避ける
・隔離練習を、する
・間違える和音をお休みする
・分散唱はダメ
ドミソの和音を弾いて
ド、ミ、ソ、ド、ミ、ソ、ドー と弾く
これがドミソだよ。これはしてはいけない
・分散奏もダメ
ソシレの和音を弾く
ソ、シ、レ、ソ、シ、レ、ソシレの和音
これがソシレだよ。してはいけない練習
和音の響きを覚える「絶対音感」の練習には全くならない。
・ドレミ体操もだめ
ドはつま先、レは膝、ミは太もも
・グルーピング練習をする
でも2.3週間くらい。
高さ比べのミスが減っていたり、第一のミスが現れたり、第一のミスがグルーピング練習の前より増えていたら、グルーピング練習の効果があったと考えていい
グルーピング練習に、2.3週間したあとはグルーピング練習と、全部の和音を混ぜる練習をする 例えば3日間「グルーピング練習」、4日目は全部の和音をまぜる練習
または、1日5回のうち、3回はグルーピング練習、残る2回は全部の和音を混ぜる練習
■第四のミス
移調して聴くとわからなくなる
・移調奏はだめ
ドレミファソ
ソラシドレ
フォソラシ♭ド
で同じ曲を弾く練習
・ハ長調の曲だけ弾かせる263p
・混ぜる練習の和音の数を、減らす
つまり旗の数を減らす
隔離する1つか2つ
・グルーピング練習をする
長い期間続ける
「調性の枠組み」(移調で聴ける)で聴いている子供を「同一和音」という「響の枠組み」で聴くように変えるためには、最低でも2.3ヶ月くらいはかかる
・分離練習
ファラドのグループ(ファラド、ドファラ、ラドファ)を他の和音から分離する
・ミスの分析をしながら出題する
例
ラドファと次にソシレを弾いた時間違えた
その時にこの二つの和音を何回も聴かせて練習するのは良くない。高さ比べをしなさいと言っているようなもの。
なぜ間違えたかというと、音が飛んだ時に答えにくいのでは?と疑う必要がある
■その他のミス
・ぼんやりミス
子供が機嫌のいい時に
・音名のミス
旗は最後まで使う
*絶対音感の最短は、14個の和音を覚えること。だが中には「黒鍵の和音」の「回転形」を10個増やし、24個の和音を覚える場合がある その時耳ではわかっているのに音名を間違えるケースもあるので旗を使おう
・反抗によるミス
子供に練習する時間を決めさせよう
大人が子供の都合を気にしてあげると、子供も大人の都合を気にしてくれる
・答えないミス
子供が間違えても叱ってはいないのに泣く
自分のミスを許せないのです。
それから答えなくなってしまった。
その時はいつも通り練習する。答えなくてもしっかり聴いているから。
3ヶ月以上続いたが、すらすら答えるようになった。ちゃんと聴いていた。
→どうしてその時期になったのか?
ちゃんと、ミスの区別が自分でもわかるようになって自信が持てたから。
答えてもいい、と思ったから。
頭が良くて用心深い子供にありがち。
焦らずに待ってあげること。
・間違ったルールによるミス
ある和音を弾かせて旗を上げるが
・ピアノの音が聞こえたら旗を上げる
・旗をあげる練習
・クイズのように音を弾く前にあてるクイズ
このように覚えさせたらいけない。
・褒めすぎは良くない×
間違えることを恐れるから
・よーく考えてね×
考えてはいけない 瞬時に答えさせるすぐに答えをいう
・ちょっと高いでしょ?×
ダメ。ドミソとドファラを間違えたとき。
高低差で聞き分けできないことはむしろ喜ぶべきこと。高低差で比べていないということだから。
・出来不出来にこだわらないのが良い
出来たら「そう」「はい」「あってる」だけで良い
正しく出来た時に褒めない。
間違ったときにダメと言わない
褒めるポイントは
音を聞いてすぐに答えられた
元気に言えた
旗を高くあげられたなど。
「お利口さんにでたかね!」
「また、頑張ろうね」
・連絡事項は紙に書いて
子供の上達具合など、特に悪いことは子供の前で言わない
・絶対音感の練習は調子の良い日は長めに練習、調子の悪い日はササっと切り上げる
調子が悪い日に長々と練習すると考えて練習してしまうから
・良いお母さんとは
子供がテレビを見ている
「面白そうなアニメね」
「ママも見たいけど我慢する」
子「ハタの練習テレビ終わってからで良い?」
「いいわよ、テレビが終わったらママに教えてね」
お母さんがテレビを見ていた自分を叱らなかったこと、見ていた番組を面白そうだと褒めてくれたこと、お母さんも見たいと言ったこと、番組が終わるまで待っていてくれること・・お母さんがお子さんの気持ちを大事にしているのがお子さんにも自然に伝わった
お母さんが約束を守れば子供も約束を守ります。
以上です。